U-(7)
循環器病危険因子の性差に関する研究
分担研究者 吉政 康直 (国立循環器病センター 動脈硬化代謝内科部長)
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研究要旨
当院通院中の糖尿病患者158名に対し糖脂質代謝マーカー等の測定を行い、メタボリックシンドローム合併糖尿病の病態の性差について解析した。メタボリックシンドローム合併糖尿病患者では、男性で特に有意なインスリン抵抗性の増大、高感度CRPの増加を認め、アディポネクチンのインスリン抵抗性への関与も強い傾向にあった。今回の結果からメタボリックシンドローム合併糖尿病の病態には性差が存在する可能性が示唆される。
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A. 研究目的
近年脂肪細胞由来因子(アディポサイトカイン)が心血管病の新しい危険因子であるメタボリックシンドロームの病態に大きく関与している可能性が明らかになりつつある。アディポサイトカインであるレプチン、アディポネクチンはその血中濃度に性差があり、このことがメタボリックシンドロームの病態に性差をもたらしている可能性が考えられる。本研究ではメタボリックシンドローム合併糖尿病の病態に性差が存在するかを検証し、さらにレプチン、アディポネクチンがその差異にどのように関与しているかを検討する。
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B. 研究方法
当科通院中の2型糖尿病患者(男性93女性65名)に対して糖代謝マーカー(HOMA-IR, SSPG, HOMA-?など)、脂質代謝マーカー(LDLコレステロール、中性脂肪HDLコレステロールなど)、炎症マーカー(高感度CRP)、アディポサイトカイン(アディポネクチン、レプチン)の測定を行い性別による差異を横断的に検討した。
(倫理面への配慮)
倫理委員会の審議・承認を得、本検査の合併症・効能・不利益・利益を説明し、本人の同意を元に施行した。
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C.研究結果
男女ともメタボリックシンドローム合併群では明らかなBMIの高値、レプチンの高値とアディポネクチンの低下傾向を認めた。血中中性脂肪の高値、HDL-Cの低値を認めた。男性においてメタボリックシンドローム合併糖尿病患者は非合併患者に比しHOMA-IRの有意な上昇(2.22±0.16 vs. 1.41±0.10)、高感度CRPの高値(1162±199 vs. 668±96, p < 0.02)が認められたのに対し、女性では同様の傾向は認めるものの有意な差異は認められなかった(HOMA-IR; 2.55±0.31 vs. 2.17±0.28, 高感度CRP; 1536±290 vs. 1014±258)。次にレプチン、アディポネクチンの2つのアディポサイトカインが糖尿病患者の糖脂質代謝に与える影響を検討するためこれらのアディポサイトカインと糖脂質代謝マーカーの相関を男女別に解析した。インスリン抵抗性の指標であるSSPG、HOMA-IRはレプチンと男女とも有意な正の相関を認めたのに対し、アディポネクチンとにおいては男性でのみ有意な負の相関を示した(男性r = -0.400, p < 0.05, 女性r = -0.32, p = 0.057)。
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D. 考察
以上の結果より、男性においてメタボリックシンドロームを合併すると糖尿病の病態にインスリン抵抗性、炎症がより強く関与してくる可能性があり、またアディポネクチンが男性においてインスリン抵抗性により強く関与している可能性を示唆していると考えられた。
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E.結論
メタボリックシンドローム合併糖尿病の病態には男女差が存在する可能性が示唆された。
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F.健康危険情報
特になし。
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G.研究発表
1.論文発表
該当するものなし
2.学会発表
1.槇野久士、南雲彩子、岡田定規、藤本宗也、宮本恵宏、吉政康直: メタボリックシンドローム型糖尿病と動脈硬化指標の関連の解析,第26回日本肥満学会(北海道)2005.10
2.南雲彩子、宮本恵宏、槇野久士、藤本宗也、岡田定規、成宮博理、吉政康直: 2型糖尿病患者におけるレプチン、アディポネクチンとインスリン抵抗性および脂質代謝との関連, 第26回日本肥満学会(北海道)2005.10
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H.知的財産権の出願・登録状況
特になし
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