(1)女性外来データファイリング
これまでの臨床経験に基づいた女性特有の症状・疾患・背景因子などの診療情報を細分化したテンプレートを生成し、大分類からその詳細な項目をポップアップリストより各項目を一度に選択することによって、入力が
簡便に行うことができる。診療情報や施設情報のコード化と施設毎に重複しないような固有の患者IDにて管理されるデータベースの構造にて、データを出力する機能を有し、統計解析を視野に入れ、二次利用できるように設計されている。出力されたデータには患者を特定する情報を排除し、個人情報の保護にも考慮した。また、症状、診断、治療などの細目に関しては、実際の診療現場においても参考にできるものになっている。
(2)女性外来対応自己問診票 問診票は、医師の治療的介入の判断を支援することが目的であり、女性外来受診患者の治療経過の評価尺度が、患者自身の自己問診により、客観的なスコアを解析することができる。評価指標としては健康管理面の指標 SF-36(HRQOL)、精神面の指標SRQ-D(うつ病)およびSTAI(不安)の3種を適用した。とくにSF-36は、8種類のカテゴリから分析することにより患者の健康状態が細かく把握することができ、十分な顧客満足度も得られる。問診票にはタッチパネル液晶端末を用いり、質問を1問ごとに見やすく表示し、回答する選択肢を触れると次画面に進める簡便な操作方法であり、高齢者でも負担を軽減させるよう考慮した。問診票に履歴管理を設け、登録するタイミングを初診時、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後の評価尺度のスコアを追跡することで、治療経過に基づく治療介入の分析が可能となる。また、問診票は、女性外来データファイリングの患者サマリと連動しており、女性外来の対象患者を施設内で使用している患者IDと生年月日の入力条件で制限させることができる。
データファイリングシステムの構成図
各施設のLAN上にWebサーバを構築して、女性外来診察室に女性外来データファイリングの端末、問診部屋に女性外来対応自己問診票の端末を設置する。
ネットワーク環境で利用することにより、複数の医師によってデータファイリングを活用することができる。問診票においてもネットワーク回線経由で診察前に実施する自己問診のスコア結果が、診察中に参照することができ、その時の患者の健康・心理状況を把握することができる。
データファイリングシステムの機能概要
(1)女性外来データファイリング
■患者サマリ(患者基本情報)
@患者ID:院内で管理される患者番号
(データ出力の際に消去される)
A病院名・番号:所属する病院名およびシステムで管理される番号
B都道府県、市区町村
C生年月日
D初診日
E初診時年齢:生年月日から初診日間の年齢
■初診時患者情報
@アルコール歴:アルコール有無、1日のアルコール摂取量
Aタバコ歴:喫煙有無、本数、服用年数、喫煙年数
B子宮全摘手術
Cサプリメント服用歴
D閉経:閉経前、閉経年齢
E疾患分類:テンプレート選択
Fバイタル:身長、体重、血圧
G職業:テンプレート選択
■症状(テンプレート選択)
@患者の主訴:5段階評価
■検査(該当する検査をチェック)
@血液検査、婦人科検診子宮頸がん、婦人科検診内膜がん、乳腺エコー、骨密度測定DX、マンモグラフィー
■診断名(テンプレート選択)
@初診時診断と最終診断の管理
AICD10準拠(女性外来独自病名含む)
B確定チェック(フラグ管理)
■合併症(テンプレート選択)
@主訴と直接関連しない、もともとの疾患
AICD10準拠(女性外来独自病名含む)
■既往歴(テンプレート選択)
@婦人科・乳腺関連疾患と、それ以外に分類
AICD10準拠(女性外来独自病名含む)
B婦人科年齢:婦人科に受診した期間
■背景(テンプレート選択)
@受診の原因となった体調不良につながる社会的、家庭的なストレス
■有効治療(テンプレート選択)
@治療に有効であった治療法と、その改善した症状:5段階評価
A有効治療薬、薬剤量
■副作用(テンプレート選択)
@副作用の内容と副作用の原因である治療方法
A有効治療薬、薬剤量
■治療中紹介(テンプレート選択)
@治療中に紹介した他科
■転帰(テンプレート選択)
@転帰の理由
A紹介転院、転院日、治療終了日
■女性外来患者の登録
患者サマリ、初診時患者情報は、常に表示され、症状/検査、診断名、合併症、既往歴、背景、治療、副作用、治療中紹介/転帰については該当するボタンにて表示が切り替わる。
■症状のテンプレート例
例えば症状を登録する時に症状を分類した項目とその詳細内容が階層化したポップアップリストに表示され、マウス移動による選択で一括登録することができる。
(2)女性外来対応自己問診票
■問診票の画面遷移
患者認証すると注意事項・操作説明を経て問診票登録に進み、最後に同意説明で終了となる。
■患者認証
患者番号(施設で管理している患者ID)と患者の生年月日をタッチキーで入力すると、女性外来データファイリングに登録されている患者サマリと照合し、女性外来対照患者であるかを認証する。
■SF-36(健康管理)問診登録
質問は、1問1答で回答欄に当てはまるタッチキーにより回答し、次の質問に順次進め、36問で終了する。
■SRQ-D(うつ病)問診登録
質問は、1問1答で回答欄に当てはまるタッチキーにより回答し、次の質問に順次進め、18問で終了する。
■STAI(現時点の不安)問診登録
STAIは、現時点と日常における状況と問診が2分する。初めに現時点による質問を、1問1答で回答欄に当てはまるタッチキーにより回答し、次の質問に順次進め、20問で終了する。
■STAI(日常の不安)問診登録
続いて日常による質問を、1問1答で回答欄に当てはまるタッチキーにより回答し、次の質問に順次進め、20問で終了する。
■同意説明
全ての問診が終了すると問診データをEBM解析に利用する同意説明が表示される。同意する場合には、同意フラグが立ちスコアデータの出力が可能となる。患者自身が決める。
■評価尺度(スコア)画面
問診の結果は、女性外来データファイリングにて参照できる。自己問診登録の結果および評価尺度の解析アルゴリズムにて処理されたスコアが、問診票の種類毎に表示される。SF-36のスコアについては8種類の指標に分類され、0-100得点と国民標準値換算したスコアリング表示される。各問診結果のスコアを換算表にて評価点が把握できる。