Subject:

Sex matters in health promotion and disease prevention

医療促進と疾病予防における性差の重要性

Source:

Society for Women’s Health Research News Release, August 20, 2003

(翻訳:生賀恵美;文責:松永晶子;監修:    提供:株式会社ライフモード)

 

アメリカにおける女性および男性向けの医療促進と疾病予防は、性差が医療や疾患に及ぼす影響に関する一般大衆の認識と医療制度によって決定付けられる。この見解は、Society for Women’s Health Research(女性医療研究学会)の会長Phyllis Greenberger氏が、Association of Academic Health Centers (AHC−アカデミック・ヘルス・センターズ協会) の公式なニュースレターであるHealth Searchlight(ヘルス・サーチライト)の2003年夏号の記事で読者に送ったメッセージである。

「医療促進と疾病予防における性差の重要性」と題されたこの記事の中でGreenberger氏は、「sex」と「gender」の定義の違い、sexとgenderがどのように疾病予防に影響を及ぼすのか、そして性差と疾患に関するさらなる教育と研究の必要性について考察している(「sex」は生殖器官と染色体により生物を分類し、「gender」は個人が自身で表現する性別)。

「性差、そしてその医療への影響をより明確に理解することは、男女両方の医療を改善し、また性差に基づく効果的な予防プログラムを作成するうえで重要な役割を担うでしょう。医療と疾患については、とにかく男女では違いがあるという事実の認識を、医療提供者と一般大衆のあいだでより高めることが現在の課題です」と、Greenberger氏は記述している。

Greenberger氏は、同学会がスポンサーとなった2001年のIOM(Institute of Medicine−医学研究所)レポート、「Understanding the Biological Contributions to Human Health: Does Sex Matter?−ヒトの健康への生物学的寄与を理解する:性差は重要か?」に言及している。このレポートは、sexが特定の健康状態や疾患に対し異なる性向を決定付け、また異なる危険因子や治療法を決定付けるのに対し、genderは特定の危険因子に対する異なる露出状況や、治療法の異なる模索パターン、医療の社会的および経済的決定要因の異なる影響を決定付けると、結論付けている。

「女性と男性の解剖学的な違いはずっと以前から理解されていましたが、男女間に存在する重要な生物学的差異を科学者が明らかにし始めたのは、ここ10年ほどのことです。IOMレポートはこの事実を確認し、sexとgenderを明確に区別すると同時に、性差と生物学的レベルでの決定要因に関する理解を深めようとしています」と、Greenberger氏は断言している。

IOMレポートで記述されているように、メラノーマ(黒色腫)の罹患率は女性の方が高いが、その死亡率は男性の方が高いと、Greenberger氏は指摘する。研究者の多くは、罹患率の格差は、職業やレクレーション活動、衣服のスタイル、日焼け止めクリームの使用傾向といった行動学的要素に起因すると考えている。一方死亡率の格差の原因は、男性の「医学的治療を受けたがらない」傾向が、発見の遅れや予後不良につながることにある可能性がある。

「日焼け止めクリームの使用など、一部の予防法は男女どちらにも有効です。しかし、例えば女性には『保護機能のある衣類の着用』、男性には『定期的な検診』というように、性差に基づいて異なるメッセージを送ることも適切でしょう」と、Greenberger氏は話す。

同氏は、危険因子や、疾患の予防と治療に関する理解を改善するには、性差に関する情報を患者と医療提供者に流布させることが重要であると主張し、また医療において女性と男性がどのように異なるのか、その知識を広めるには今後さらなる研究が必要であると述べている。

「疾患とその治療法が性差にどのように影響するのかを確認するという点で、研究者は大きな進展を遂げています。臨床医と医療促進の専門家が、このような研究成果を具体的な方法へ転換し、女性と男性のどちらもが健康改善に利用できるようにすることが必須です」と、Greenberger氏は話す。