「高学歴が、結婚や母親になることを阻む」というかつての傾向は、もはや存在しないと最新の研究は示唆している。
1980年には、大学院での履修年数が多いほど、女性はその後の人生で結婚する比率が低いという調査結果が得られていた。しかしこの格差は急速に消滅しつつあると、ワシントン大学経済学部のElaina Rose助教授が行った最新調査は示している。「過去には、高学歴と結婚の間には顕著なトレードオフがありましたが、現在の状況は変わりました」と、Rose助教授は話す。この研究結果は、3月31日にボストンで開催されるアメリカ人口学会の経済的人口統計学ワークショップで公開される。
Rose助教授が「成功のギャップ」と呼ぶこの格差は、1980年代と1990年代で劇的に縮小した。その変化をレポートにまとめるにあたりRose助教授は、数百万もの国勢調査の記録を分析し、40〜44歳のアメリカ人グループにおける婚姻状況と学歴を調査した。1980年代には、大学院で3年間の教育を終えたこの年齢グループの女性が結婚する比率は、同年代の高卒の女性が結婚する比率と比較して14%低かった。しかしこの格差は2000年までに5%へ縮小している。
一般的に女性は、より成功している男性との結婚を好む、いわゆる「昇婚(Hypergamy)」をする傾向が高いと考えられていた。そしてRose助教授は、1980年代と90年代、「結婚市場」に出回る高学歴女性の数が増加するにつれ、このような女性が結婚相手を探し当てられるケースは減少するだろうと予測していた。確かに1980年の国勢調査では、女性が高学歴の男性と結婚する強い傾向が見られたが、それもその後20年で消滅した。
これは経済理論がもはや機能しないことを意味するのであろうか?Rose助教授は、「そうではありません。高学歴女性の供給増加に市場が対応しているという意味です。また経済学者が『専門化と交換』(妻が家庭を守り、夫がお金を稼ぐ)と呼んでいたものから、『役割分担と経歴の共通性』へと、結婚の本質そのものが変わって来ています」と話す。またもう1つの要因としては、総体的な結婚率の低下が、より低学歴(特に男性)の人々のあいだに集中していることがある。
Rose助教授は、高学歴の女性では子どもの数も少数であるかを調査した。その結果、「母親になることと成功とのギャップ」が依然存在すること、しかしそのギャップが縮小していることが確認された。「女性は『仕事か家庭』という厳しい選択に直面するという認識は、10年、20年という時間の経過と共に徐々に適応しなくなっています。昨年コンピュータでデータ解析を行っている間、博士号を持つ私自身も素敵な男性と出会い、結婚しました」とRose助教授は話す。高学歴の女性が結婚する傾向は、彼女自身にも反映されたことになる。 この研究は、アメリカ国立小児保健発育研究所から研究資金を提供された。
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