Subject:

Chemotherapy after breast cancer surgery not used as often as recommended

乳がん手術後の化学療法、NIHの推奨を下回る実施状況

Source:

American College of Physicians-American Society of Internal Medicine News Release, January 21, 2003

(翻訳:生賀恵美;文責:松永晶子; 監修:    提供:株式会社ライフモード)

 

Annals of Internal Medicine(内科医学年報)2003年1月21日号に掲載された最新の調査結果によると、乳がん手術を受けた多くの女性が、手術後にアメリカ国立衛生研究所(NIH)の推奨に沿ったアジュバント化学療法を受けていないことが判明した。さらに乳がん手術を受けた女性の年齢が高いほど、アジュバント化学療法を受ける比率が低いことも明らかになった。

この研究の主要調査員であるXianglin L. Du博士は、University of Texas Medical Branch at Galveston(テキサス大学医学部ガルベストン校)で内科および老人科の助教授を勤める。同博士は、1990年に開催されたNIHのコンセンサス会議では、メノポーズ前およびメノポーズ後の乳がん患者のうち、リンパ節へ転移が見られる早期乳癌患者、または腫瘍の大きさが1センチメール以上でホルモン受容体が陰性の患者に対し、医師は手術後の化学療法を推奨するべきであることが決定されたと述べている。

この調査では、1991年から1997年にNew Mexico Tumor Registry(ニューメキシコ腫瘍登録書)に記録された、20才以上の手術可能な乳がん患者女性5101人を対象に、アジュバント化学療法の実施状況が調べられた。総体的な結果としては、全体の29%が化学療法を受けていた。しかし化学療法を受けた患者の比率を年齢別に見ると、45才以下では66%、50〜54才は44%、55〜59才は31%、60〜64才は18%、65〜69才は12%、75才以上では3%であった。

「NIHの現行のガイドラインで推奨されているにも関わらず、調査対象の女性の年齢が高くなるにつれて、アジュバント化学療法の実施率が大幅に低下しているという結果に非常に驚きました。これは、実際に行われている治療がNIHの推奨から明らかに逸脱していることを意味します。NIHの推奨が積極的過ぎるのか、もしくは化学療法の使用に対しがん専門医が保守的過ぎるのか、この点を今後の調査で見極めていかなければなりません」と、Du博士は話す。