Subject:

National survey finds U.S. public enthusiastic about cancer screening

アメリカの一般大衆は、がん検診に熱心であることが調査で判明―「両刃の剣」と呼ばれるがん検診

Source:

AAAS/EurekAlert!, January 6, 2004

(翻訳:生賀恵美;文責:松永晶子; 監修:    提供:株式会社ライフモード)

 

がん検査を受けることで、誤ってがんと診断されたり、不必要な治療を受けることになる可能性が出てくる。それにも関わらず一般大衆は、がん検診に熱心であるという結果が、Journal of the American Medical Association (JAMA―アメリカ医学会ジャーナル)1月7日号に掲載されたDartmouth Medical School(ダートマス大学医学部)の調査で得られている。このような熱心さは、特定のがんの過剰検査や過剰治療の危険に一般大衆をさらすことにもつながると、研究グループは警告している。

「医療専門家のあいだでは、がん検診は『両刃の剣』であるという認識が高まっています。早期発見により恩恵を受ける人もいれば、がんと診断され不必要な治療を受けることになる人もいます。一般大衆は、がん検診の潜在的な利益と害について、両サイドからの情報を得る必要があります」と、ダートマス大学医学部のLisa M. Schwartz助教授、Steven Woloshin助教授、Gilbert Welch教授が参加する研究グループは記述している。彼らは3人ともバーモント州ホワイト・リバー・ジャンクションにあるVA(退役軍人局)メディカル・センターの医師でもある。

SchwartzとWoloshinの両助教授が率いるこの研究グループは、様々ながん検診に関する人々の体験を調査する目的で、2001年と2002年に全米の成人500人を対象に電話インタビューを行った。調査参加者は、がんの病歴を持たない40歳以上の女性360人と、50歳以上の男性140人であった。インタビューには、がんの早期発見の価値や、4種類のがん検診(パパニコロー検査、マンモグラフィ、前立腺特異抗原、S 状結腸鏡検査/結腸鏡検査)に関する質問が含まれていた。

「アメリカの成人の大部分(87%)が、がんの定期検診を受けることは、ほとんどの状況において賢明な選択であると考えています。74%は、がんの早期発見が『多くの場合』または『常に』救命につながると信じており、また53%は、がんが発見された場合、がん検診を受けていたことによって、必要な治療の量が通常は少なくなると信じています」と、研究グループは記述している。

「将来、がんの定期検診を受けることを止めるかもしれないと考えているのは、全体の3分の1以下でした。また『80歳で検診を受けないと選択することは無責任である』と考えている人も多く、その数はマンモグラフィーに関しては41%、結腸鏡検査については32%です。回答者の38%は、間違ってがんがあるという検査結果を受けた経験を少なくとも1度しており、彼らの40%以上が、その経験を『非常に怖い』あるいは『人生で最も恐ろしい時間』であったと描写しています」と、この研究レポートの著者は述べる。にもかかわらず回答者の98%は、がん検診を受け始めてよかったと考えていることが判明している。

インタビュー参加者の大部分は、その含意に関わらず、がんの存在を知ることを望んでおり、3分の2が『治療の施しようが無い場合でも、がんの検査を受けたい』、56%が『非常に進行が遅く、治療を受けなくても問題の無いがん−スドディジーズ(疑似的疾患)−の検査を受けたい』と答えている。

さらに研究グループは、その利益や安全性を支持するデータも、また医療専門家の団体による承認も不在であるにも関わらず、インタビューでは全身のCT検査(コンピュータ断層撮影法)に多大な興味が寄せられたと報告している。インタビュー参加者の約75%が、現金で1000ドルもらうよりも、全身のCTスキャンを受ける方を選択すると答えている。

「一部の臨床医は今回の調査結果を、がん検診を推奨する公衆衛生キャンペーンが効を奏したことを示す喜ばしい証拠であると受け止めるでしょう。一方この調査結果を、このようなキャンペーンが、人々を間違った方向へ導いてしまう単純で偏ったメッセージを伝えたことを示す、憂慮すべき証拠であると捉える臨床医もいるでしょう。つまり、がん検診の推奨の是非が不確かな状況において(若い年齢や高齢における検診、複数の疾病に罹患している患者の検診など)、検査を受けるか否かの重要な討議を抑制してしまうメッセージという意味です。一般大衆は、がんの早期発見につながるとうたわれている検査であれば、全て受ける価値があると信じ込む傾向があります。(利益と害の両面から)バランスの取れたメッセージを伝え、一般大衆が過剰検査や過剰治療を受けるリスクを低減することが現在の課題です」と、研究グループは結んでいる。

また研究グループは、がん検診の潜在的な利益と害が一般大衆へ完全に伝達・理解された場合、それによって早期発見に対する彼らの熱意が変わるか否かは分からないため、この調査結果は制限されていると注釈している。