メノポーズ後の健康な女性では、怒りや不安といった心理的要因が、動脈機能損傷に関与していると、ある最新研究は示唆している。動脈機能の損傷は、心臓疾患のリスク増加にもつながる。
ホルモン置換療法は、怒りとタイプA行動(負けず嫌い、せっかち、攻撃的といった感情を提示する)のレベルが高い女性に対しては多少の動脈保護を提供するが、不安や憂鬱を抱く女性に対してはその効果は無いと、University of Pittsburgh School of Medicine(ピッツバーグ大学医学部)のKelly F. Harris氏とKaren A. Matthews博士は話す。この研究はPsychosomatic Medicine(心身医学)の最新号に掲載されており、健康な女性を対象に、このような心理学的特質と動脈機能損傷を関連付けた初めてのものである。
「心理学的特質は、複数の経路を介して血管機能に影響を与え得る」と研究グループは話している。過去の研究では、「怒り、敵意、憂鬱」と、高脂肪の食餌、喫煙、運動の欠如、アルコール乱用といった「不健康な行動」との関連性が見出されている。またストレスによって、血管機能を制御する身体の神経系の一部が影響を受けることもある。
この調査に参加した193人の女性は、メノポーズの前と後に心理査定を受け、メノポーズ後に腕の主要な動脈の検査を受けた。Harris氏のグループは、刺激に対し動脈がどれほど膨張するのかを超音波映像で調べた。血管に膨張する能力が無いことは、動脈の狭窄と硬化、つまりアテローム性動脈硬化症の初期兆候である可能性もある。
怒りとタイプA行動のレベルが高い女性、及び/または、不安と憂鬱のレベルが高い女性は、動脈の膨張が最小量であったと研究グループは述べている。メノポーズ後にホルモン置換療法を受けた女性は、怒りと攻撃性の影響から若干保護されていた。しかしこの関連性は、心理学的特性の測定をメノポーズ前後のいずれに行った場合も同様であった。
「動脈機能との関係において『不安』は、他の心理的特質以上に毒性の強い特徴であるかもしれません。したがってホルモン置換療法などの保護的要因に対しても、より高い抵抗力を有すると考えることができます」と、Harris氏は話している。
メノポーズ前の女性では、エストロゲン及びその他の循環ホルモンが血管機能の維持に役立っており、健康なメノポーズ後の女性に対して、ホルモン置換療法が若干の動脈保護を提供する理由が、これによって説明付けられるのではないかと研究グループは話している。
この研究資金は、アメリカ国立保健研究所(NIH)と、ピッツバーグ・マインド−ボディ・センターから提供された。
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