Subject:

Study shows long-term stress appears to damage caregivers’ immune systems

長期的ストレスが、介護者の免疫系に悪影響を与える

Source:

University of North Carolina at Chapel Hill, Press Release June 30, 2003

(翻訳:芝田早苗;文責:生賀恵美,松永晶子; 監修:    提供:株式会社ライフモード)

 

たとえそれが愛する人であっても、慢性的な病気を患う人を長期間介護することがどれほどストレスになるかは誰もがよく知っている。しかしこれに加えて、このような継続的なストレスが介護者の免疫系を早期に老化させ、加齢に伴う疾病のリスクを大幅に高めることを示唆する有力な証拠が最新の研究で得られた。

損傷を与える化合物は「炎症性サイトカイン」として知られるが、その数値は、病気の配偶者の介護をしている人々のあいだで著しく急増しただけでなく、その配偶者が死亡した後も数年にわたって継続的に増加した。

この研究は、Ohio State University(オハイオ州立大学)と University of North Carolina at Chapel Hill(ノースカロライナ大学チャペルヒル校)の両校により実施され、研究レポートは、6月30日(月)の午後、オンラインのProceeding of the National Academy of Science(米国科学アカデミー会報)で発表される。

この研究レポートの著者は、Ohio State’s College of Medicine(オハイオ州立大学医学部)のJanice K. Kiecolt-Glaser博士、 Cathie Atkinson博士、William B. Malarkey博士、 Ronald Glaser博士と、UNC’sdepartment of psychology and College of Arts and Science(ノースカロライナ大学心理学部と芸術科学学部)のRobert C. MacCallum博士、 Kristopher J. Preacher博士である。

「私たちは、長期にわたって慢性的ストレスを与える状況が、高齢者におけるサイトカインIL-6(インターロイキン-6)の過剰生成に与える影響について調査しました。IL-6は、血液細胞や骨髄を含む体内の様々な細胞から分泌され、けがや感染の炎症反応に関連する物質であるだけでなく、特に問題へ反応しようとする免疫機能に関与しています」と、L.L. Thurstone Psychometric Laboratory at UNC(ノースカロライナ大学L.L.サーストーン精神測定研究所)の責任者であるMacCallum博士は述べた。

また同博士は、加齢と共にIL-6の生成も増加する傾向にあると加えている。IL-6の過剰生成は、心疾患、関節炎、歯周病、虚弱体質、糖尿病など、老化に関連する症状に関与していることが分かっている。

今回の研究は、高齢者を2つのグループに分け、各グループのIL-6値を6年以上にわたって調べた。一つのグループは、主にアルツハイマー病による痴呆をもつ配偶者の介護をしている119名の男女で構成され、もう一方のグループは、介護者ではない106名で構成されていた。研究開始時における参加者の平均年齢は70.5歳であった。

「介護者のグループは、介護者でないグループと比較して、IL-6の増加がより早いことが統計分析で示され、介護者グループの平均的な増加率はおよそ4倍でした」とMacCallum博士は話す。

また研究グループは、年齢、性別、民族性、うつ病、孤独感の差や、喫煙、運動、睡眠パターンなどを含む健康関連行動の違いが、IL-6増加率の格差に関与しているか否かを調べるために、追加の分析も行っている。

「研究の結果、これら2つのグループに見られたIL-6変化率の格差に、他の要因は関与していないことが分かりました」と、MacCallum博士は語った。

また同博士は、研究開始前と研究期間中に一部の介護者の配偶者が死亡したと話した。さらなる分析では、配偶者を亡くした元介護者と、現在も愛する人を介護している人の炎症性サイトカインの値が比較された。この分析結果からは、これら2つのグループにおけるIL-6の変化率には顕著な格差が見られなかった。つまりこれは介護の悪影響が、病気の配偶者を亡くした後も長期にわたって継続することを示唆している。

「この研究は総体的に、強度の慢性的ストレスがIL-6生成の加速につながることを示す証拠を提供しています。IL-6の増加は、老化に関連する様々な疾患や症状の発症及び過程に関与していることが示唆されて来ました。この現象は、ある種の免疫系の早期老化を実質的に示しています」と、MacCallum博士は話した。