Subject:

Prevalence of human papillomavirus infection differs for men and women

ヒトパピローマ・ウイルス(HPV)感染の有病率は、男女で異なる

Source:

AAAS/EurekAlert!, Press Release, November 16, 2004

(翻訳:生賀恵美;文責:,松永晶子; 監修:    提供:株式会社ライフモード)

 

Journal of Infectious Diseases(感染症ジャーナル)12月15日号に掲載されたある最新研究によると、性感染症のヒトパピローマ・ウイルス感染の特定年齢における有病率は、女性と男性と性交渉をもつ男性とで大きく異なる。カリフォルニア大学サンフランシスコ校のPeter V. Chin-Hong博士が中心となって実施したこの研究では、男性と性交渉をもつ男性では、その全年齢グループにおいて、肛門ヒトパピローマ・ウイルス(HPV)の高い有病率が確認された。この研究結果は、年齢によって有病率が異なる子宮頚部HPV感染とは対照的である。

HPV感染と肛門がん、そしてHPV感染と子宮がんの関連性については、これまで多くの研究が報じて来た。また子宮頚部HPV感染についても、その有病率は年齢と強い関連性をもち、早期にピークに達した後、およそ30歳で低下し始めることが、多くの研究で示唆されて来た。しかし男性と性交渉をもつ男性では、肛門HPV感染の有病率が年齢によってどのように異なるのかについては、ほとんど明らかにされておらず、この分野の研究のほとんどは、HIVに感染した、限られた年齢枠の男性をその研究対象としている。研究員は今回の研究について、「男性と性交渉をもち、HIV血清反応が陰性であり、年齢や地理条件が広範におよぶ男性を対象に、肛門HPV感染を調査した初めての研究論文」であると述べている。

この研究は、2001年1月から2002年10月にかけて、ボストン、デンバー、ニューヨーク、サンフランシスコの各都市に住む、男性と性交渉をもつ男性1,218人を対象に行われた。参加者の男性は、年齢18〜89歳で、白人78%、ラテン系アメリカ人14%、アフリカ系アメリカ人6%、アジア系アメリカ人3%であった。調査結果からは、肛門HPV感染の有病率は57%で、この数字は年齢や都市によっても変わりが無いことが分かった。感染に関与する要因には、受身の肛門セックスをしたことと、過去6ヶ月に5人以上のセックスパートナーを持ったことであった。

また今回得られた研究結果は、このグループにおける、肛門HPV感染の本質についても明らかにしており、感染者の45%が複数の種類のHPVに感染していた。また侵襲性肛門がんにつながる「高リスク」タイプのHPV感染率は26%であり、男性と性交渉を持つ男性では、肛門がんリスクが高いことを示唆している。

Chin-Hong博士の研究チームは、HPV感染に見られるこの性差は、研究対象が「30歳以降に持つ新しいセックス・パートナーの人数」の差を反映しているのではないかという仮説を立てた。また研究チームは、臓器特異的な差異やホルモンの差異が、疫病学的な差異に関与している可能性も提示している。

この研究の強みは、その規模と、肛門HPV感染の研究では初めて複数都市を網羅したことであると、研究チームは述べている。さらに研究チームは、今回の研究結果が、男性と性交渉をもつ男性のうち「地方に居住している」といった特定のサブグループにも一般化できるか否かは分かっていないという、潜在的な制限があると説明している。

「この研究結果からは、女性における子宮頚疾患のデータから、男性と性交渉をもつ男性における肛門HPV感染のデータを推測するというこれまでの仮定方法を見直す必要があることが分かりました。HPVワクチンの開発や、肛門がんのリスク要因を理解するために、肛門HPV感染の特異な疫病学にはさらなる研究が必要です」と、Chin-Hong博士は話している。