Subject:

Online support for people with depression

うつ病患者向けのオンライン・サポート

Source:

AAAS/EurekAlert!, December 9, 2003

(翻訳:生賀恵美;文責:松永晶子;監修:    提供:株式会社ライフモード)

 

診断や治療を受けていないうつ病を抱える人々の多くが、その助けをインターネット・コミュニティに求め始めていると、BMC Psychiatry(BMC精神医学)2003年12月10月号に掲載されたある研究は報告している。科学者グループは、うつ病の症状をもつ人々へ診断やサポートを提供する方法としてバーチャル・コミュニティを利用し、さらにはオンラインで治療を行う可能性もあると考えている。

医療関連の情報やアドバイスの入手を目的とするインターネットの使用が増加していることが、過去の調査で示されている。その中でも特に精神医療に関するインターネットの使用は多い。インターネット・コミュニティでは、ユーザーが専門家の意見を聞くことも、またチャットルームやメッセージボードを通して、特定の症状に関して他の人と話しをすることも可能だ。医療目的のインターネット利用が普及したにも関わらず、このようなコミュニティを利用するユーザーの健康状態に関する研究は、ほとんど行われて来なかった。

London School of Hygiene and Tropical Medicine, Oxford University(オックスフォード大学ロンドン衛生学・熱帯医学部)およびUniversity of Toronto(トロント大学)の研究員3名は、NetDoktorが運営するインターネットのうつ病コミュニティのユーザーに、オンライン・アンケートへの参加を依頼した。

研究グループは、「Major Depression Inventory(大うつ病目録)」をオンライン使用向けに導入し、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、オーストリア、イギリスの6カ国からアンケートに参加したユーザーが、大うつ病に罹患しているか否かを評価した。この他アンケートの中には、「医療サービスに連絡をしているか」、「治療を受けているか」、「バーチャル・コミュニティ使用の効果についてどう思うか」などの質問も含まれていた。

2,000人以上のユーザーがこのアンケートに参加したが、大うつ病が最も多く見られたのはイギリスの回答者(64%)で、スウェーデン(57%)がこれに次いだ。一方大うつ病が少なかったのは、デンマーク(40%)とノルウェー(42%)であった。大うつ病の基準を満たした全6カ国のユーザーのうち、49%が何の治療も受けておらず、そのうち35%は前年に医療専門家に相談することもなかった。

研究レポートの著者は、「我々の研究結果は、プライマリ・ケアと同様にオンラインにも、何の対応もなされていないニーズが存在することを示唆しています。正式な医療サービスに連絡することもなく、オンライン上で助けを求めている人々が大勢存在します。そして彼らの半数は何の治療も受けていません」と記述している。

このようなオンライン・コミュニティのリピート・ユーザーのうち、前年に専門家の介入を求めた人の36%は、彼らがそう決心するうえでインターネット・コミュニティは重要な要因であったと考えている。またアンケートに参加したユーザーの44%が「このコミュニティを使用したことで、孤独感が緩和されたと思う」と答えている。

「『他の場所では話すことができなかったこの話題を、ここでなら話すことができると思った』と、多くのユーザーが感じていたことが分かりました。中にはこのコミュニティで初めて自分のうつ病を告白したというユーザーもいます。うつ病はその症状の本質から、従来の方法による情報検索が困難です。したがってうつ病の症状をもつ人々に支援サービスを供給するうえで、インターネット・コミュニティが有用なツールになり得ることを、我々の研究結果は示唆しています」と、著者は記している。