Subject:

Stanford research pinpoints online consumer health use

消費者による医療関連のインターネット使用状況を調査−スタンフォード大学

Source:

Stanford University Medical Center, Press Release, May 13, 2003

翻訳:芝田早苗;文責:生賀恵美、;監修:    提供:株式会社ライフモード)

 

ゲーム、友人とのチャット、スポーツの試合結果のチェックといった目的ではその使用が普及しているインターネットも、医療関連の使用については、これまでに報告されているほど一般化していないのが現状である。過去のレポートには、インターネット・アクセスをもつ成人アメリカ人の80%が、健康または医療関連のアドバイスや情報を検索する目的でインターネットを使用していると報告したものもあった。しかしStanford University Medical Center(スタンフォード大学メディカルセンター)の調査では、健康や医療に関するアドバイスや情報を求めてインターネットを使用する比率は、インターネット・アクセスをもつ成人アメリカ人の40%、または一般の成人アメリカ人の約20%であるという結果が得られている。さらにこの調査では、このようなインターネットの使用が医療サービスの利用状況に及ぼす効果は限られているという点も明らかになった。

「健康に関する情報を求めてインターネットを使用する人は大勢います。しかしその数は一部の人々が考えているより少数であり、実際の医療サービスの利用に与える効果は比較的小さいと考えられます。医療におけるインターネットの使用をどのように推進すべきかを検討するにあたり、医療情報の検索を目的とするインターネットの使用がほぼ一般化している、あるいはインターネットが医療サービスの利用に対し常に大きな影響力を持っているという仮定はするべきではありません」と、この研究の主要著者、スタンフォード大学の医療研究・保健政策助教授のLaurence Baker博士は話している。この研究レポートはJournal of the American Medical Association(アメリカ医学会ジャーナル) 5月14日号に掲載されている。

医療情報の検索を目的とするインターネットの使用の普及については、これまでにも様々な報告が出されている。ある調査は、インターネット・アクセスをもつ成人の75〜80%が医療関連の目的でインターネットを使用しているとする一方で、別の調査ではこの数字はわずか35%であった。

「明確な情報が欠如しているために、インターネットの使用が実際にどれほど普及しているのか、そして(影響があるとすれば)医療サービスに対してどのような影響を与えているのかを判断するのは困難です。上手く利用すればインターネットは医療改善の強力な手段となります。しかしその使用と効果に関する正確な推定値が無ければ、政策議論の焦点を絞り、次のステップへ向けて最良の対応策を講じることは難しいでしょう」と、Baker博士は語った。

研究グループはインターネットの使用範囲をより正確に評価するため、2001年の後半および2002年の前半に、21歳以上のインターネット・ユーザー4,764人を対象に調査を実施した。この調査には、医療情報の検索を目的とするインターネットや電子メールの使用や、インターネットや電子メールの使用が医療サービスの利用へ及ぼすと認知された効果に関する広範な質問が含まれていた。また慢性的症状をもつと報告した回答者には、その症状に関連するインターネットの使用についても尋ねている。

この研究グループは、オンライン・アクセスをもつ成人アメリカ人の40%が健康やヘルスケアの目的でインターネットを使用することを確認した。また男性は女性と比較して、医療情報の検索を目的にインターネットを使用する傾向が低いこと、同様に75歳以上の個人は若い世代と比較して、医療情報の検索を目的とするインターネットの使用が少ないことも明らかになった。さらに健康関連でインターネットを使用する個人でも、その使用頻度はそれほど多くないことも判明した。回答者の31%が、健康関連でインターネットを使用するのは「2〜3箇月に1度、もしくはそれ以下」と答えており、「1箇月に1度、もしくはそれ以上」と答えたのは9%だけであった。

医療情報を求めてインターネットを使用すると答えた調査参加者の大部分は、インターネットが医療問題に関する自身の理解を深めるうえで役立ったと答えているが、インターネットの使用が健康や医療に関する決断に影響を及ぼしたと答えたのは、約3分の1に留まった。

インターネットによる医療サービスの利用への影響はほとんど確認されなかった。インターネットの使用は、医師を訪れる回数に何の影響も与えなかったと答えたのは94%、医師との電話連絡の回数に何の影響も与えなかったと答えたのは93%であった。

「消費者が医療問題に関する知識を深め、医療提供者に負担をかけることなく、症状や治療法に関する疑問を解消して安心感をもつという点で、インターネットの使用が役立っているようです」と、Baker博士は話している。また同博士は、この研究の目的がインターネットを非難することではないとも加えており、「40%というのはかなり高い数字です。インターネットが医療情報の普及において重要なツールであることは明白です」と話している。

今回の調査と過去の調査でインターネットの使用率に格差が見られたのは、抽出標本の違いに起因しているのではないかとBaker博士は話している。医療関連のインターネットの使用について最も高い使用率を報告したレポートも含め過去の調査の中には、オンライン・ユーザーである個人を募集して抽出標本を構築したものもあり、インターネットに特に熱心な個人が過大に反映されていた可能性もある。Baker博士が使用した抽出標本は、一般的なアメリカ国民を代表するものである。

またこの研究では、(医学界では頻繁に話題になるが)医師と患者が電子メールで交信することが稀であることも明らかになった。医師に電子メールを送ったことがあると答えたのは、回答者のわずか6%だけであった。それに比べ、家族や友人に医療問題に関する電子メールを送るという回答はより一般的であった。「私達は、家族や友人とのエレクトロニック・コミュニケーションが医療に与え得る影響を見過ごしがちですが、この分野をもっと注視するべきでしょう」と、Baker博士は語った。