Subject:

Women prefer GPs to the Internet when trying to find out about HRT

ホルモン補充療法の問い合わせ先に女性が好むのは、インターネットよりも一般開業医

Source:

Economic & Social Research Council Press Release, August 22, 2003

(翻訳:生賀恵美;文責:松永晶子;監修:天野恵子    提供:株式会社ライフモード)

 

「HRT(ホルモン補充療法)は乳がんリスクを倍増させる」
「HRTの研究結果に動揺するな」

昨今のマスコミ報道をにぎわしたこのような見出しは、HRTの使用を考慮している、または現在HRTを使用している女性に対しどのような影響を与えるだろうか?そして彼らは、どこに詳細な情報やアドバイスを求めるのだろうか?

イギリスのEconomic and Social Research Council(ESRC−経済社会学研究会議)とMedical Research Council (MRC−医学研究審議会)が資金を共同提供したある研究によると、インターネットなどの医療情報リソースへのアクセスは増大しているが、政策の大幅な見直しがない限り、女性に情報やアドバイスを提供する最も重要な情報源は、依然としてGP(一般開業医)である傾向が高いことが示唆されている。

この研究は、女性がHRTおよびそのリスクと利益に関する知識を得たプロセスを調査した。その中でも特に、女性がリスクに関して最も懸念する事項、その主要な情報源、得た知識を女性がどう解釈したか、そしてその知識がHRTを受けるか否かの意思決定にどのように反映されたのかが確認されている。

この研究の参加者には、過去にHRTを使用した経験を持つ中年女性32人が、GPまたは婦人科の診療所を通じて勧誘された。参加者のうち16人を対象に1年間の追跡調査が行われ、健康状態の変化、そして彼らがHRTのリスクに関する情報収集のために取るアプローチに対し、新しい研究やメディア報道が及ぼす影響が評価された。また女性のサブ・グループから相談を受けた医療専門家(GP、産科医、婦人科医)もインタビューを受け、医師と患者の間のコンサルテーションも観察された。

医療サービスにおける「患者の関与」は、現在政府の医療政策の中でも主要課題となっているが、この研究はこの論議に焦点をあてたものだ。ここで重要なのは、これが「情報に基づいた選択(インフォームド・チョイス)」の延長であるという見方であり、つまり本来患者は、治療の選択肢やその他の医療事項に関する意思決定を行うにあたり、中心的な役割を担うべきであるという考えだ。NHSダイレクト(電話およびオンライン・サービス)のような新しいメディア・サービス、そしてより一般的であるインターネットは、新しい「情報に通じた患者(インフォームド・ペイシェント)」の出現を支援すると考えられている。このような患者は意思決定プロセスにおいて、医療専門家との間にこれまで以上に対等な関係を築くことができる。

今回の研究では、この特定女性グループがHRTに関する「情報を得た」プロセスが調査されており、「情報に通じた患者」の出現と「情報に基づいた選択」の実施における重要な制限事項がいくつか確認された。

★女性の多くは、「情報に通じた患者/情報に基づいた選択」という概念が含意する責任を自らが担うことに迷いを感じており、係り付けのGPなど医療専門家からの助言に依存することに満足している。

★自分で情報収集を試みる女性は、自らが得た情報を管理/解釈するに十分な情報読解力を持たないことを認識することが多い。これは特に、ワールド・ワイド・ウェブの検索中に顕著に起こる。

★女性が情報を適切に管理し、自身に好ましいと考えられる治療アプローチを決めることができた場合でも、その多くはHRTの使用を勧める医師によって退けられる/嘲笑される。

★医療専門家の多くは、「情報に通じた患者」の育成を拒絶する。その理由は、医師の権威が脅かされること、もしくはこのような患者が求める追加要求に対応できないことを恐れているからである。

今回の研究は、消費者医療情報という分野の医療政策に対し多大な意義を持つ。「『情報を入手する権利』は誰もが持っています。しかしその権利に伴われる責任をとることを、患者が不本意と捉えるのならば、『情報に基づいた選択』の方策と実施は失敗に終わるでしょう」と、Fils Henwood医師は話す。

「ほとんどの治療は何らかのリスクを伴います。患者が信頼した医師に決定権を委ねるのではなく、十分な情報を提供されたうえで患者が意志決定に参加するようになれば、治療の経過が思わしくない場合には、患者もまた非難の対象となります。これは医療専門家にとっては嬉しいニュースかもしれませんが、一般大衆がこのような状況を受け入れるには、未だ時間がかかるかもしれません」とHenwood医師は加えている。

「政府が『情報に通じた患者』の開発に真に取り組むのであれば、人々のあいだに情報の適切な読解能力を育て、特にインターネットの使用技能を育成するために、より多くの資源を投じる必要があることを認識しなければなりません。さらに、新しい『情報に通じた患者』を拒絶するのではなく、受け入れることができるように、医療専門家の教育と訓練も変更してく必要があるでしょう。これには、患者に対する高圧的な関係を軽減すること、そして彼らが患者に提供する助言に対し、政府の医療政策や資源的な制約がどのように影響するのかを、患者に正直に伝えることなどが含まれるでしょう」。