顔の形成手術に関連するリスクについて、医師との話し合いに加えて教育用パンフレットを渡された患者は、パンフレットを渡されなかった患者以上に、手術のリスクを後日よく思い出すことができると、ある記事はレポートしている。この記事は、JAMA/Archivesジャーナルの1つ、The Archives of Facial Plastic Surgery(アーカイブス・オブ・フェイシャル・プラスティック・サージェリー)の1-2月号に掲載されている。
この記事によると、インフォームド・コンセントの基本概念とは、「患者は、疾患、症状、治療に関する適切な情報を、簡単かつ簡明な表現によって提供されたうえで、治療の拒否も含め、治療に関する意思決定を行う権利を持つ」というものである。
外科医は、インフォームド・コンセントで以下を患者に伝えなければならない。
l 疾患、症状、傷害の本質
l 全ての治療計画の本質、目的、利益、不利益、制限
l 全ての治療に関し、有用可能な代替治療法(治療を全く受けなかった場合の影響も含む)
l 治療のリスクと合併症
l 誰が治療を行うのか
インフォームド・コンセントの過程で話された内容を患者がどれほど覚えているのかについては、過去にいくつかの研究が行われている。その1つでは、形成手術を受ける患者が覚えているのは、口頭で伝えられた情報の半分以下であることが判明している。しかし、手術のリスクを伝え、そのリスクを患者がより良く思い出せるように、言語以外の方法を口頭の説明に加えることを調査した研究は、これまでほとんど無かった。
フロリダ州プランテーション市に所在するWest-Med Facial Cosmetic Surgery CenterのAra Samuel Makdessian医師の研究グループは、顔の形成外科手術に関連するリスクを口頭で伝えた場合の効果と、口頭の説明に加えて、手順とリスクの要点をまとめたパンフレットを使用した書面のコミュニケーションを行った場合の効果を評価した。
研究グループは、鼻形成術(一般的に「ノーズ・ジョブ」と呼ばれる鼻の再建手術)、しわ切除(しわ取り手術)、レーザー美肌術(顔面のしわや染みを減らすレーザー処理)の相談に、この形成手術センターを訪れた連続する120人の患者(平均年齢41歳)を対象に、調査を実施した。患者は、手術のリスクについて初回の診察中に口頭で説明された「パンフレット無しのグループ」(57人)と、口頭による説明に加えて、リスクの概要を記述したパンフレットを受け取った「パンフレット・グループ」(63人)の2グループに無作為に分けられた。診察では、年齢、性別、職業、最終学歴などの人口統計学的情報も収集されている。そして初回の診察から約2週間後、それぞれが説明された形成手術のリスクについて思い出すことができるかを、患者に電話で尋ねた。
調査に参加した患者120人のうち、実際に手術を受けたのは48人であった。「初診から15日を経過した時点での、これら3種類の顔面形成手術に関するリスクと合併症の想起率は、約40%でした(各手術ともリスク計5件のうち2件)。手術リスクの概要を記したパンフレットを受け取った患者では、この想起率が1.5から2.5へ増加しています」と、研究グループは記述している。また4年生大学を卒業している患者、鼻形成術またはレーザー美肌術を受けた患者、そして女性の患者は、リスクの想起率が高いという結果も得られている。
「整形手術のリスクを書面で開示することによって、患者はその潜在的リスクをより明快に記憶し、理解することが可能となります。つまりその手術のインフォームド・コンセントを行うことができるということです」と、研究グループは記述している。
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