Subject:

Temple University researcher studying gender differences in how damaged hearts heal

テンプル大学の研究グループ、損傷した心臓の治癒過程における性差の解明に取り組む

Source:

AAAS/EurekAlert!, Press Release, September 1, 2004

(翻訳:生賀恵美;文責:松永晶子;監修:    提供:株式会社ライフモード)

 

心不全の生存率には男女差が見られる。テンプル大学の研究者Deborah L. Crabbe医師は、損傷した心臓が治癒する過程における性差を解明することによって、この男女差を説明付けることができるかもしれないと話している。過去の研究では、女性の心不全の生存率は、男性のそれを上回るとされて来たが、その理由は明らかにされていない。Crabbe医師はこの男女差について、心臓の損傷がどのように治癒するのか、どのように収縮・弛緩するのかという点に関連する機能上の違いによるものであると予測する。

「なぜ女性にこのような優位性が見られるのかが理解できれば、将来その情報を、心臓疾患をもつ男女の治療に役立てることができるでしょう」と、テンプル大学医学部助教授、そして同校の心臓血管リサーチ・センターのメンバーであるCrabbe医師は話す。

損傷や疾患を負った心臓は、何とかそれを治癒して正常機能を取り戻す。心臓は筋肉であるため、その治癒には再建の過程が含まれる。これは「心臓リモデリング(cardiac remodeling)」と呼ばれる臓器修復のプロセスであり、女性と男性とではその起こり方が異なるとも考えられる。そしてそれが、女性の方が心不全の生存率が高い理由であるのかもしれない。

Crabbe医師はより詳細な研究を進めるため、「梗塞後のリモデリングにおける性差」と題されたこのプロジェクトに、アメリカ国立心肺血液研究所(National Heart, Lung and Blood Institute)から助成金を受けた。Crabbe医師は以前、慢性的なエストロゲンの損失が、アンギオテンシンII刺激に対する心臓の反応に及ぼす影響について、摘出心臓を使用して研究した経験をもつ。今回のプロジェクトは、この研究を発展させたものである。

Crabbe医師の現在の研究は、心臓リモデリングに性差は存在するのか、またエストロゲンがレニン−アンギオテンシン系の活性へ及ぼす影響から性差が生まれていくのか、といった疑問を調査していく。レニン−アンギオテンシン系は、心臓リモデリングの過程に関与する重要な神経ホルモン系である。