1988年以来、カリフォルニア州在住のアジア系アメリカ人のがん罹患率は5.9%低下し、がん死亡率は16.3%低下した。いずれも他の主要民族グループのそれを上回る大幅な低下率であると、第5回Asian American Cancer Control Academyで発表されたある研究は報告している。この会議は、アメリカ国立がん研究所(National Cancer Institute)およびAANCART(Asian American Network for Cancer Awareness, Research and Training、本部−カリフォルニア大学デイヴィス校)がスポンサーしている。
しかしアジア系アメリカ人の女性は、他の疾患と比較して、がんで死亡する比率が最も高い。またアジア系アメリカ人女性は、他の主要民族グループの女性と比較して、乳がんの罹患率が低いにもかかわらず、その増加傾向はアメリカ全体の中で最も急速である。
これらの調査結果は、カリフォルニア州保健サービス省のがん調査部が行った最新の分析で得られたものである。カリフォルニア州は、アジア系アメリカ人の人口が370万人と全米で最も多く、ここにはアメリカにおける全アジア系人口の35%が居住している。今回の研究では、1988年から最新の統計値が得られている2001年にかけて、がん罹患率とがん死亡率が調査された。
「有望なデータが得られました。このレポートが、マンモグラムなどのがん検診を受ける傾向が最も低いアジア系アメリカ人女性に対し、健康への注意を呼びかける存在になればと思います」と、カリフォルニア大学デイヴィス校医学部および同校メディカルセンターの公衆衛生科学教授、Moon S. Chen, Jrは話している。Chen教授は、アジア系アメリカ人のがんを減少させることを目的とする850万ドルの全米プロジェクト「AANCART」の主任調査官を務めている。
アジア系アメリカ人全体では、がんの罹患率および死亡率は低下している。しかしこの好ましい傾向は、アジア系アメリカ人コミュニティ全体を通して同様に確認されているのではない。今回の研究では、中国系、フィリピン系、日系、韓国系、ベトナム系の5つのアジア系サブグループが調査対象とされた。がん罹患率の減少率は、韓国系アメリカ人が最も低く、研究期間を通してわずか0.2%の低下であった。一方フィリピン系アメリカ人のがん死亡率は、アジア系サブグループの中で唯一増加し、その増加率は2.5%であった。
「このような調査結果は、アジア系アメリカ人のあいだに著しい不均一性が存在すること、そして各アジア系民族グループを個別に調査することの重要性を明示しています。カリフォルニアには、大規模かつ多様なアジア系人口が居住していますから、アジア系アメリカ人全体、またアジア系のサブグループにおけるがんの状況を把握するには、論理的かつ理想的な州だといえるでしょう」と、Chen教授は話す。Chen教授はブッシュ政権下で、大統領がん諮問委員会のメンバーにも任命されている。
Chen教授は、アジア系アメリカ人女性の乳がん罹患率が増加した原因は、アジア系女性および彼らの医師のあいだで乳がんに関する意識が高まったこと、そして彼らのあいだで西洋化が広まったことにあるのではないかと考える。この「西洋化」についてChen教授は、「定量化は依然困難であるが、伝統的アジア人に見られる行為とは質的に異なる行動」と定義している。
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