Subject:

Job-stressed women more vulnerable than men to 9/11 trauma

仕事のストレスがある女性は、男性以上に9/11テロのトラウマを受けやすい

Source:

AAAS/EurekAlert!, Press Release, November 1, 2004

(翻訳:生賀恵美;文責:松永晶子;監修:    提供:株式会社ライフモード)

 

日常的な仕事のストレスを受けている女性では、9/11テロ以降、不安症状やアルコール消費量の増加が特に見られやすいと、イリノイ大学シカゴ校精神科の研究グループによる最新の研究は報じている。この研究は、American Journal of Public Health(アメリカ公衆衛生ジャーナル)11月号に掲載されている。

研究グループは、男性と女性の両方を対象に職場でのストレスに関する経時的調査を実施した。そしてそのデータから、仕事場でのセクシャルハラスメント、一般的な嫌がらせ、無力感を報告した女性は、9/11テロ以降に精神衛生上の被害に悩まされる傾向が、男性以上に高いという結論を導き出した。

「私は『cumulative adversity(蓄積型の苦難)』という用語を使っています。ストレスの多い日常的経験に9/11テロによる大きなトラウマが加わり、このような女性の精神的健康に損傷を与えました。人間関係における虐待という日常的経験から生み出される無力感が、この黙示録的な瞬間がもたらした大規模な無力感と被害者意識を悪化させました」と、本研究の主要著者、イリノイ大学シカゴ校精神医学部の疫学教授Judith Richmanは話す。

1996年に開始されたRichman教授のこの研究は、現在も「職場及び他の生活ストレスの要因、そしてこれらの要因が精神的健康とアルコール消費へ及ぼす影響」に焦点をあてながら継続している。本研究のアンケートは1996年、1997年、そして2001年に、アメリカ中西部の都市部に位置する大学に勤める、または勤めた経験をもつ男女2,000人へ郵送された。2001年9月11日の前後にアンケート調査が返信されて来た際、Richman教授は、うつ病、不安、異なる飲酒パターンなど、様々な心理学的要因からテロ事件の影響を分析するうえで、理想的なデータセットが入手できたことに気づいた。「広範な心理学的影響に関する、テロ事件の前と後のデータが集まり、9/11事件が精神的健康に与えた具体的な影響を調査することができました」と、Richman教授は話している。

この研究では、職場でのストレスのうち、「仕事上での意思決定権限の欠如」、「セクシャルハラスメント」、そして無礼な行動、孤立、排除といった職場での「一般的な虐待」という3点が使用された。アンケートを9月11日以降に返信した(アンケートの記入も9/11以降であったと推定)女性参加者では、その女性が仕事上でのストレスに悩まされている場合、アルコール摂取量の増加や現実逃避を目的とする飲酒の増加を報じる傾向が高かった。またこれらの女性は不安感を報告していたが、憂鬱の報告はなかった。一方、職場でのストレスを経験していた男性には、9/11以降のこのような精神的健康への影響は見られなかった。

テロ事件やテロへの恐怖が与える心理学的影響の研究を続けているRichman教授は、この研究が、危機への対応に向けて政府が適切な資源配分を行う一助になると考えている。「精神衛生の資源は限られています。この研究は、大規模なテロ事件による心理学的苦痛を最も受けやすい人々に、その資源を向けるために役立つでしょう」と、Richman教授は話す。この研究の資金は、NIH(アメリカ国立保健研究所)から提供されている。